HaptoMapping: 映像への不可視な情報埋め込みによる視触覚重畳提示

概要

本研究では,映像に対する触覚提示の位置ずれ・時間遅れを知覚不可能なレベルに低減する視触覚重畳システムを開発し,視覚情報に対応した触覚刺激の提示を再現する手法を提案する.本手法では,空間分割型可視光通信を用いて映像に不可視の触覚刺激情報を埋め込み,この情報を用いて触覚提示デバイスを制御することで,位置ずれと時間遅れの低減,視覚情報に対応した触覚刺激の提示を実現する.この手法を用いて,振動子の異なる2種類の触覚提示デバイスと,このデバイスを用いた視触覚重畳システムを開発した.そしてデバイスの映像に対する触覚刺激提示の遅延時間を測定し,実装した視触覚重畳システムを用いて人間の視覚と触覚の遅延知覚に関する主観評価実験を行った.その結果,開発したデバイスは遅延時間を人間には知覚不可能なレベルまで低減できており,本システムにおける人間の遅延知覚の刺激閾は約100 msであることを明らかにした.

タイプ
収録
情報処理学会 インタラクション2020論文集

関連項目